論述
膝関節症に対する脛骨高位骨切り術
土井 照夫
1
,
七川 歓次
1
,
小野 啓郎
1
,
小杉 豊冶
1
,
山本 利美雄
1
,
吉野 良平
2
Teruo DOI
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
2大阪厚生年金病院
pp.607-613
発行日 1971年7月25日
Published Date 1971/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904571
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はじめに
変形膝関節症は成人期以後の関節疾患のなかで,もつとも一般的なものであり,ことに,畳の上での生活習慣をもつ日本においては老人の生活力に直結する重要な問題の1つである.しかし,その本態ならびに成因に関しては,現在なお不明の点が多く,また治療上困難な問題が少なくない.
膝関節症のなかには,その経過のうちに症状の改善を示すものがかなり認められる.小松原らは1年10ヵ月から3年10ヵ月の追跡調査で37%に改善例を認めている.しかし,過半数の症例が不変または悪化を示し,長期にわたつて膝の痛みに耐えながら日常生活を送つているものが多い.
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