検査法
酵素検査法—最近の知見を中心に
玄番 昭夫
1
Teruo GEMBA
1
1群馬大学医学部付属病院中央検査部
pp.511-518
発行日 1971年6月25日
Published Date 1971/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904558
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まえがき
臨床検査として最初に登場した酵素は尿アミラーゼ(1929年)であるが,現在のように頻繁にいろいろな酵素が測定されるようになつたのは,血清GOTの有用性が見いだされた1955年以降といつてよい.この間,O. Warburgを始めとする生化学者により,主として腫瘍と関係の深い酵素の追求が行なわれたものの,実際これらの中から臨床的診断手段として用いられた酵素は酸性ホスファターゼ(1938年)とアルドラーゼ(1949年)があつたにすぎない.
しかしKarmenらによるGOT(1955年),HillらによるLDH(1957年)の測定が契機となり,さらにLDHアイソエンザイムの分画に成功(1957年)して以来,血清酵素の測定,ならびにアイソエンザイムの臨床的応用が一段とさかんになつてきた,以下に現在測定されている酵素をあげ,その中から腫瘍,筋・骨疾患などに関して二,三の興味深い検査法を中心として述べた.
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