臨床経験
Riemenbügel様装具による新生児先天股脱治療の試み
鈴木 良平
1,2
,
佐藤 信也
2
Ryohei SUZUKI
1,2
,
Shinya SATO
2
1長崎大学
2福島県立医科大学整形外科
pp.335-340
発行日 1971年4月25日
Published Date 1971/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904537
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Ortolaniのclick signやBarlow,山室の方法などを利用して,新生児期に先天股脱が容易に発見されるようになつたことは大きな進歩である.この時期の治療としてはvon Rosen,Barlow,Frejkaの装具がよく用いられている.
10数年来,著者らは乳児先天股脱に対して,PavlikのRiemenbügelを用いているが,新生児に対してもこのような装具が用いられないであろうかと考えた.つまり厳重な固定を行なわず,向脱臼性の股関節伸展運動のみを制限してjoint laxityの消失を待ち,固定性の脱臼に進展するのを防止することを意図するものである.しかし乳児用のRiemenbügelは材料の点で新生児の皮膚には危険であるし,新生児には重すぎて固定用装具となつてしまうおそれがある.
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