臨床病理講座
四肢軟部組織腫瘍の病理(4)—滑膜の腫瘍
佐野 量造
1
Ryozo SANO
1
1国立がんセンター病理部
pp.327-334
発行日 1971年4月25日
Published Date 1971/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904536
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VII.滑膜の腫瘍
1.良性の滑膜腫瘍
関節腔,腱鞘,関節周囲の粘液嚢に生ずる良性の腫瘍には,血管腫,脂肪腫,軟骨腫などあるが,線維性黄色腫に属するものがもつとも多い.この腫瘍は良性滑膜腫(benign synovioma),黄色腫(xanthoma),黄色腫性肉芽腫(xanthomatous granuloma),腱鞘の巨細胞腫(giant Cell tumor of the tendon sheath)および色素沈着性絨毛滑膜炎(pigmented villonodular synovitis)等,いろいろの名称でよばれているが,病理学的には先に述べた組織球性細胞に由来する線維性黄色腫(fibrous xanthoma)と同じものである.
好発部位は膝,股関節および手足の関節にも生ずる.比較的若年者に多く,男性に多い.
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