手術手技
偽関節に対する圧迫骨接合術
棈松 紀雄
1
,
宮坂 忠篤
1
,
唐沢 善徳
1
Norio ABEMATSU
1
1信州大学医学部整形外科学教室
pp.691-699
発行日 1969年9月25日
Published Date 1969/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904121
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骨折に対する手術的療法の普及は,骨折治療材料,特に金属の開発に負うところが大であることは言うまでもない.その反面,保存的療法の軽視,例えば幼年者に対しても無批判に手術が行なわれたり,また不適正な手術が行なわれがちである.骨癒合に関しては保存的療法が手術的療法にまさつていることは周知の事実であり,手術を行なう場合は手術の欠点を上まわる効果を期待しなければならない.われわれが遭遇する経過不良例の多くの原因は,大腿骨頸部骨折など特殊な例を除いて不適正な手術による固定力の不足および手術による感染があげられる.感染は論外として,固定力の不足によるものと思われる例のうち内副子固定例に経過不良例をみるものが多い.この原因として(1)過小な内副子の使用,(2)不適正なねじ釘の刺入(長さ,数,部位,方向),(3)両骨折端の不適合があげられる.しかしこのような条件が満たされているにもかかわらず不良経過をとる例がある.内副子により得られる固定力は,(1)内副子の強度,(2)ねじ釘に固定力,(3)骨の性状,例えば骨萎縮の有無,骨皮質の厚さなど,の3者により左右される.
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