手術手技
下顎骨骨折の手術的療法
上野 正
1
Tadashi UENO
1
1東京医科歯科大学歯学部第1口腔外科学教室
pp.688-694
発行日 1970年9月25日
Published Date 1970/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904450
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緒言
顎骨のうちでは下顎骨の方が上顎骨より骨折が多い.教室症例727例については,上顎1に対して下顎3であるが1,2),アメリカのMallett(1950)3)のごとく1対16のごとき大きい値を出している人もある.
他方顎骨骨折は最近の交通事故の増加に伴つて,それによるものが激増し,したがつて全体の症例数も増え続けている.第1表は1931年から67年までの教室症例(上下顎骨骨折)673例を各年度ごとに交通事故によるものを抜き出して,その割合を比較したものであるが,終戦後の5年間の17%を最低に,40%から50%に増加し,61年度は64%に達した.このような傾向は欧米の諸報告にもみられる2).
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