カラーグラフ 外傷シリーズ・10
顔面外傷の臨床
Ⅲ.顔面骨骨折—下顎骨・上顎骨骨折
原科 孝雄
1
,
礒 良輔
1
,
田嶋 定夫
2
1神奈川県交通救急センター・済生会神奈川県病院外科
2慶大形成外科
pp.1538-1549
発行日 1971年10月20日
Published Date 1971/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205451
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今回は顔面外傷シリーズ最終回として顔面骨折のうち下顎骨骨折,上顎骨骨折の症例を紹介する.両者の治療にあたってもつとも重要なことは正常咬合の再現にあることはもちろんである.下顎骨骨折の手術は比較的たやすくできるので専門的知識なしに安易に行なわれ,のちに不正咬合などの後遺症に悩まされる例も少なくない.上顎骨骨折はその診断,治療法がこのような救急患者を扱う第一線病院で良く知られておらず,とくに強力な外力により生ずる上顎骨骨折は脳神経外科的症状を伴うことが多く,その適切な治療が不当に遅らされる例もままある.
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