論述
プラスマ膜およびフィブリン膜の臨床応用
西 重敬
1
Shigeyuki NISHI
1
1新須磨病院整形外科
pp.437-445
発行日 1970年6月25日
Published Date 1970/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904410
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はじめに
生体に利用される医用材料,とくに挿入物質は多少とも生物,物理,化学的な反応を伴うものであり,これらの反応については諸々の研究結果が発表され,外用としては各種薬剤,内用としては薬を初め手術時の金属や高分子化学材料に至る各種の分野に対して,それぞれの立場でその生体反応すなわち刺激性が論ぜられており,時として異物として作用する結果好ましくない結果を生ずる場合があり,個人差の問題も見逃すことのできぬ条件となりつつある.しかも生体内において完全に吸収置換される物質は数少なく,これとても抗原抗体反応に悩まされる種々の問題を含んでおり,とくに整形外科領域において使用される各種手術材料においてそうであり,最近優秀な無刺激性金属や合成樹脂の出現により,その無刺激性の故に利用度が増加しつつある.しかし一方において長年月の間には異物としての作用のために除去せざるをえない結果をも招いている現状のように考える.
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