視座
異物の使用とその開発に思う
片山 良亮
1,2
1東京慈恵会医科大学
2東急病院
pp.1179
発行日 1967年12月25日
Published Date 1967/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904332
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私が人工骨頭を使用しはじめてからすでに15年を経過します.当時,私は,こんなに大きな異物を人体内へ埋蔵してよいものだろうかと心配しました.私の作つた人工骨頭は合成樹脂で被包してありますが,合成樹脂は人体組織と相当によい親和性のあることを動物実験で証明してあつたとはいいながら,人工骨頭はなんといつても大きいですから,使用にあたつては随分,心配し,慎重な態度をとつたつもりであります.
しかし,心配するほどのこともなく,人工骨頭が異物として有害に働いた症例をしりません.それのみでなく,人工骨頭の脚部が骨髄腔へ刺入されている部分では周囲に骨が新生し,周囲組織と実によく親和します.
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