シンポジウム 腰痛
筋・々膜性腰痛症について
諸富 武文
1
Takefumi MOROTOMI
1
1京都府立医科大学整形外科学教室
pp.603-610
発行日 1967年6月25日
Published Date 1967/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904248
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はじめに
腰痛を訴えて医家を訪れる患者は非常に多く,わが教室における統計をみても,実に全外来患者の約20%が腰痛を主訴として来院している.しかし,一口に腰痛と称しても,その原因は多種多様であり,さらにその部位も脊椎,椎間板,さらには筋肉,筋膜などを含む軟部組織などに由来するものなど様々である.その上,最近盛んになつてきたいわゆる心身症による腰痛もかなり認められる.これらの腰痛の治療に当つては,もちろんその原因となつている疾患および部位を確実に掴み,適切な治療を行うことが必要なことはいうまでもないが,今回はこれら腰痛のうちでも軟部組織,ことに筋,筋膜部における変化に基く筋・々膜性腰痛症に関して,病理,診断の大略をのべ,さらにその治療についても述べることにする.
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