臨床経験
頸肩腕痛のレ線学的観察—頸椎レ線像を中心に
山口 重嘉
1
Sigeyoshi Yamaguchi
1
1長崎大学医学部整形外科
pp.453-455
発行日 1967年4月25日
Published Date 1967/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904226
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まえがき
項頸部より肩,更に上肢にかけての疼痛という問題については色々な解釈があり,その病因,診断には必ずしも統一した見解は得られていない様である.例えば頸部脊椎症,頸部骨軟骨症,頸肩腕症候群,斜角筋症候群,肋鎖症候鮮,過外転症候群,等と各研究者により原因の検索と表現がなされているが,その各々についても判然としない点が少くない.又,肩関節を中心に痛みがあり,その運動制限,特に上肢の外転外旋が侵されるものを対象とする50肩症候群については,その誘因に心因性,体質性要因もゆるがせに出来ず,叉頸椎柱,肩関節周辺の疾患のひとつの現われとして或いは関連痛,反射痛の現われとして受けとられる可能性も多分にある.著者は先ず解明の足がかりとして,これら愁訴をもつて来診した患者の頸椎レ線を検索して検討を試みたので報告する.
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