手術手技
脛骨幹部骨折の治療
天児 民和
1
,
杉岡 洋一
1
Tamikazu Amako
1
1九州大学医学部
pp.443-451
発行日 1967年4月25日
Published Date 1967/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904225
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
脛骨々幹部骨折は頻度の高い骨折である.また治療技術の良否によりその成績にも大きな差違がある.更に軟部組織が少ないことは骨折治癒には不利であるが手術操作は甚だ容易である.それで手術が多く行われるがその術式は多く,選択に迷うし,また日々新しい技術が開発せられているのも事実である.
観血的骨接合術の目的は,確実な整復と固定により自然治癒機序を助け治療日数の短縮,関節の拘縮,骨筋肉の萎縮を防止し早期に社会復帰させることであり,その為多くの手術法,固定機具が登場し,批判されて来た.しかし,骨折の種類・部位・術者の経験・手術室の設備により最も適当な方法が選ばれるべきで,例えばKüntscher髄内固定法が優れているが,その目的をよく理解して確実に原法に忠実に手術すべきでこれにはある程度の設備が必要である.これを余りに簡易化すると充分な効果が挙らない.昭和34〜37年間に当教室で取扱つた106例,112下腿の脛骨々幹部骨折があるが各種の術式を試みたのでその手術法の変遷と成績を紹介したいと思う.その例数は皮下骨折42例,(46下腿),開放骨折39例,(40下腿),仮関節及遷延治癒骨折25例,(26下腿)である(第1表).
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.