シンポジウム 脊髄損傷
パラプレジア用の車椅子の人間工学的研究
小川 新吉
1
,
勝田 茂
1
,
尾方 正矩
3
,
冨田 忠良
2
,
今井 銀四郎
2
,
松林 忠徳
2
1東京教育大学スポーツ研究施設
2国立箱根療養所
3高崎経済大学
pp.49-57
発行日 1967年1月25日
Published Date 1967/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904179
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まえがき
現在,脊髄損傷者が使用している車椅子には,損傷の部位や程度によつて,いろいろの種類のものが考案され,型・性能・仕様等も種々様々である1).しかし,頸髄損傷以外の一般損傷者が現在使用している車椅子は,その数も多く,国産,外国製等,型や性能もまちまちであり,しかもいづれも規格化された既製品である.損傷者は体位が異り,さらに損傷高位が異つて運動能力等に大きな相違がみられても,座布団やパッキング等を用いて,車椅子の方に身体を合わせて使用しているのが現状である.
われわれは,脊髄損傷者の体力,運動能力等の残存機能を測定2)する一方,損傷者の生理的,心理的な面から,現在広く使用されている車椅子のもつ諸々の不合理な点を考察するとともに,損傷者が自分の足として用いている車椅子の操作動作の特性を解析し,車椅子に対する基礎的な生理学的・人間工学的研究を試みた.
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