紹介
映画化される進行性筋ジストロフィー症児
近藤 文雄
1
1国立療養所西多賀病院
pp.722
発行日 1969年9月25日
Published Date 1969/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904126
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仙台市にある国立療養所西多賀病院には,進行性筋ジストロフィー症の子が130名,他の病気の子らとともに収容されている.その大部分は18歳以下で,病院内に設けられた学校(幼稚園,小学校,中学校,通信制高校)で,不治の病と斗いながら学習に励んでいる.本症に対する根治療法はないので,その生活は自然,リハビリテーションが中心となり,学習,機能訓練,装具をつけての歩行訓練,各種クラブ活動や作業が活発に行なわれている.
従来本症の子は,病院や学校に入れてもらえなかつたので,家の片隅で人知れず孤独の生涯を終えるのが常であつた.ようやく,昭和40年になつて,国の指定した一部の国立療養所に本症を収容して,児童福祉法に基づく療育の給付がなされるようになり,ここに初めて彼らの人権が認められるようになつたといえる.現在,指定療育機関は全国で10ヵ所,収容患者数は約800人であるが,遂次増床する計画ができている.
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