論述
手の損傷と補償
松林 誠之助
1
Seinosuke MATSUBAYASHI
1
1磯子病院
pp.1055-1063
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904014
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はじめに
補償には療養補償,休業補償,障害補償などがある.補償問題は,なにか事故でもあると,ほとんど同時に話題になるほど普及し,関心も持たれている,手は働きの中心で危険に曝される機会が多く,受傷して補償を受ける頻度が高い.特に受傷しなくても,作業に関連して故障を起し,補償を求めることも多い.
補償は規約や範例,前例を基にしてきめられるが,その内容は基礎になる考え方や医学の進歩に応じて,時とともに変る可能性をもつている.補償には身体に関係する事項が多いので,当然医師の協力を必要としている.医師の診断は絶対的と思われるほどに尊重されるが,その反面一字一句まで吟味され,追求されることもある.難かしいことが多いが,その中から2,3の点について触れてみたい.
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