特集 産科医療補償制度15年でみえてきたもの―脳性麻痺の原因分析と再発防止策
各論
産科医療補償制度 補償認定請求から補償金支払いまでの実際の流れ
鈴木 英明
1
SUZUKI Hideaki
1
1日本医療機能評価機構 理事・産科医療補償制度事業管理者
pp.38-39
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001396
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はじめに
産科医療補償制度は2009年に創設され,分娩に係る医療事故(過誤を伴う事故および過誤を伴わない事故の両方を含む)により脳性麻痺となった児に対して補償を行うものであり,「標準補償約款」「産科医療補償制度加入規約」「保険契約」に基づき運営されている。具体的には,日本医療機能評価機構が定めた「標準補償約款」に基づき,分娩機関と妊産婦の間で「補償の約束」を行う。また,分娩機関は本制度への加入に際して,制度の適切な運営に必要な取り決め事項を記載した「産科医療補償制度加入規約」に従うことが求められる。さらに,日本医療機能評価機構は損害保険会社と「保険契約(産科医療補償責任保険)」を締結し,分娩機関が産科医療補償制度の補償金の支払い責任を負担することによって被る損害に対して,損害保険会社は保険金を支払う。
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