シンポジウム 日本の義肢問題
座長公演
日本の義肢問題—その現状と今後と
水野 祥太郎
1
Syotaro MIZUNO
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
pp.834-837
発行日 1968年10月25日
Published Date 1968/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903981
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はしがき
この義肢シンポジウムのためには,まず42年4月,各方面にアンケートを送り,義肢のひろい分野のうち,いずれに重点をおくかの回答をいただいた.これによつて単なる海外紹介的なものや,初心的講習的なものは教育研修会に一任することとし,日本におけるオリジナルなものを取上げる方針が打出されたのである.また,装具の方面をまつたく省略して他日にゆずることとし,わが国の義肢の過去,現在をしめすとともに,未来への見とおしの立てられるような形をとることとなつた.
すでにして明治100年をむかえ,日本は世界の誰しもから後進国とは考えられていないにかかわらず,不思議に義肢に関するかぎり,今まで整形外科学界においては,外国見物的な紹介ないし,追随のみが幅をきかせていたのは,どうしたことであろう.新しい方面を開拓して世界をリードする方向にこそ,これからは眼を向けるべきであろう.独自の考えによる進歩は,いままでにもいくつも見られている.本シンポジウムが新しい道を具体的に踏出す契機ともならば幸いである.
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