論述
新生児期における先天性股関節脱臼について(第2部)
山室 隆夫
1
Takao YAMAMURO
1
1京都大学医学部整形外科
pp.200-210
発行日 1968年3月25日
Published Date 1968/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903888
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第1部33)においては,先天性股関節脱臼に対する治療開始時期についての歴史的な変遷をふりかえり,新生児期における先天股脱の診断,特に触診によるclick発見の手技,単純レ線像および股関節造影所見,さらに,治療法および治療成績について述べた.また,触診および股関節造影の所見より,新生児股関節のjoint laxityの程度は極めて著明なものから正常に近いものまで連続的に種々の程度のものがあることを述べた.その程度を明確に区別することはできないが,著者は便宜上,仮にこれをspontaneous dislocationとprovocated dislocationとの2つに分けて考えている.前者は新生児の股関節を伸展位にするのみで自然に脱臼するような高度のjoint laxityのあるものを指し,後者は脱臼誘発手技を行なつて初めて股関節の亜脱臼をきたすような軽度のjoint laxityのあるものを指す.
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