臨床経験
先天性脊髄皮膚瘻について
新垣 敏雄
1
Toshio ARAKAKI
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.145-154
発行日 1968年2月25日
Published Date 1968/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903877
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いとぐち
先天性脊髄皮膚痩は内腔が重層扁平上皮細胞に被われた瘻管からなり,脊椎あるいは頭蓋の背部正中線上に認められる発育異常(developmental anomaly)である.これが背部皮膚より深部組織に達し,頭蓋内や脊椎管内の奇形系腫瘍と連結していたり,ときには二次的感染を起して重篤な神経症状を呈するに至つた症例については,海外では1926年Moiseの報告以来,数多くの報告例がみられるが,本邦では文献上3例を渉猟しうるにすぎない.最近,慶大整形科学教室にて先天性脊髄皮膚痩3例ならびにこれと組織学的形態を同じくし,一亜型ともいうべきPilonidal sinus(毛巣疾患)2例を経験したので合せ検討し,ここに報告する次第である.
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