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先天性側頸瘻に就て
竹田 磋智夫
1
1九大医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.128-132
発行日 1955年3月20日
Published Date 1955/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201288
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1.緒論 先天性側頸瘻は甚だ稀な疾患で,予の調査し得た所では本邦に於ては,大正7年大野氏の報告した頸顋瘻の一例にはじまり,以後現在に至る迄30数例を数えるに過ぎない。然し乍ら佐藤,執行,勝呂,笹木,高原(高),川野,木村氏等により色々な角度より詳細に研究され,特に手術法に関してはV.Hackerの銀線を用いる法,笹木氏のクランを用いる法或は川野氏のテグスを用いる法等により一応完成せりと云うも過言ではなく,又鷄に実験的に側頸瘻管をつくらせる事に成功せる鈴木氏の例もあり此の上多言を要しない如く感じられるのであるが,予の経験した一例はその局所的位置的関係より所謂先天性側頸瘻にして,特に成書に示されて居る如く,扁桃に関係深き点興味深く,又分類上にも一つの示唆を与えると思われるのでその大要を報告し,更に笹木臨床15ヵ年間の教室例並本邦報告例と比較考察し諸賢の御批判を乞わんとするものである。
TAKEDA states that majority of cervical fistulas have their seat of origin in the palat-ine tonsils especially when the superior pole of the tonsillar fossa is involved. But since fistulas do riginate elsewhere cervical fistulas should be classified according to the origin of the infection.
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