臨床経験
脊髄性癲癇(胸髄不全麻痺例にみる持続性間代性痙攣)と思われる1例
木下 博
1
,
福原 照明
1
,
小林 一平
1
,
片山 国昭
1
1中国労災病院整形外科
pp.625-629
発行日 1966年9月25日
Published Date 1966/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903806
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まえがき
頸・胸髄損傷では完全・不完全の別なく,受傷後一定期間を経ると,損傷部以下の反射が現われて痙性麻痺を呈する.腰髄損傷でも損傷部以下の仙髄に中枢をもつ反射は回復する.したがつてBastian Bruns lawから開放される時期になると,反射は再び現われて痙性になる,がことに胸髄損傷では高度の痙性麻痺をみることが多い.我々は胸髄不全麻痺例で,自発的に,あるいは,わずかな外的刺激で麻痺部に間代性痙攣が現われて30分以上も持続する所謂Brown-Séquardの脊髄性癲癇(Spinal epilepsia)1)と思われる症例を経験したのて報告する.
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