Japanese
English
症例報告
開窓術施行後に脊柱管内滑膜嚢腫が発生し,神経根障害が再発した腰椎変性すべり症の1例
A Case of Intraspinal Synovial Cyst Occurred after Hemilaminectomy for Lumbar Degenerative Spondylolisthesis
藤由 崇之
1,2
,
藤塚 光慶
1
,
丹野 隆明
1
,
早川 徹
1
Takayuki Fujiyoshi
1,2
1松戸市立病院整形外科
2現:君津中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Matsudo City Hospital
キーワード:
intraspinal synovial cyst
,
脊柱管内滑膜嚢腫
,
degenerative spondyiolisthesis
,
変性すべり症
,
lumbar spine
,
腰椎
Keyword:
intraspinal synovial cyst
,
脊柱管内滑膜嚢腫
,
degenerative spondyiolisthesis
,
変性すべり症
,
lumbar spine
,
腰椎
pp.875-878
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903599
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:われわれは,第5腰椎変性すべり症に対し開窓術を施行後,脊柱管内滑膜嚢腫が発生した1例を経験したので報告する.症例は77歳女性.右下肢痛,500mの間欠性跛行を呈し入院.脊髄造影・ミエロCTでは,L5/Sの黄色靭帯肥厚と関節水腫を有する高度の椎間関節変性変化を認め,右L5-S片側開窓術を施行したが,術後1カ月より右下肢痛が再発した.再入院時,MRIで脊柱管内にT1低信号,T2高信号の嚢腫様陰影を認め,右椎間関節造影後CTにて,椎間関節と連続する嚢腫陰影を認めた.再手術として,L5-S椎弓切除術,嚢腫摘出術,後側方固定術を施行した.病理組織は,滑膜嚢腫であった.本症例における滑膜嚢腫の発生メカニズムは,初回手術後,極めて短期で形成されており,術後の不安定性増大によるというよりも椎間関節内側切除により,関節包・黄色靭帯の脆弱部が発生し,滑膜嚢腫が形成されたと考えられた.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.