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特集 脊椎脊髄病学最近の進歩(第30回日本脊椎脊髄病学会より)
脊髄および馬尾損傷後の神経因性疼痛
Neuropathic Pain after Spinal Cord Injury and Cauda Equina Injury
中野 正人
1
,
平野 典和
1
,
渡辺 裕規
1
,
杉森 一仁
2
,
関 庄二
2
,
酒井 清司
3
,
北川 秀機
4
,
沢木 勝
5
Masato Nakano
1
1富山労災病院整形外科
2富山医科薬科大学医学部整形外科
3富山赤十字病院整形外科
4富山労災病院リハビリテーション科
5富山労災病院泌尿器科
1Department of Orthopaedic Surgery, Toyama Rosai Hospital
キーワード:
neuropathic pain
,
神経因性疼痛
,
spinal cord injury
,
背髄損傷
,
cauda equina injury
,
馬尾損傷
Keyword:
neuropathic pain
,
神経因性疼痛
,
spinal cord injury
,
背髄損傷
,
cauda equina injury
,
馬尾損傷
pp.359-363
発行日 2002年4月25日
Published Date 2002/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903511
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抄録:脊髄および馬尾損傷後5年以上の観察を行った35例を対象に,神経因性疼痛の有無を臨床調査し,その関連要因を検討した.神経因性疼痛は内臓痛を除外し,neuropathic at level pain(A群)とneuropathic below level pain(B群)に分類した.神経因性疼痛は29例にみられ,A群は21例,B群は21例,およびA+B群は13例であった.A群の疼痛の性質は多様であり,不全損傷10例中の7例に認められ,脊髄円錐部の損傷例に多い傾向があった.B群の疼痛は,日中常に存在し入眠により消失する,焼かれるような,刃物で刺す,もしくはえぐるような激しい疼痛で,緩徐な増悪傾向を示した.便秘,腹満,発熱時などの内臓器変調により増悪した.疼痛に対する治療は8例にしか行われず,改善しなかった.B群の疼痛のある例とない例を比較すると,脊髄損傷後の完全麻痺で青壮年に受傷した例に多かった.
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