Japanese
English
臨床経験
腰椎黄色靱帯に発生した腫瘤(肉芽組織)の1例
Granulation Tissue of the Yellow Ligament in the Lumbar Spine : A Case Report
佐々木 知行
1
,
戸館 克彦
1
,
秋元 博之
2
Tomoyuki Sasaki
1
1公立七戸病院整形外科
2青森県立中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Shichinohe Public Hospital
キーワード:
lumbar spine
,
腰椎
,
yellow ligament
,
黄色靱帯
,
tumor
,
腫瘤
Keyword:
lumbar spine
,
腰椎
,
yellow ligament
,
黄色靱帯
,
tumor
,
腫瘤
pp.331-335
発行日 2000年3月25日
Published Date 2000/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902947
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抄録:腰椎黄色靱帯に肉芽組織で形成された腫瘤が生じた1例を経験した.症例は55歳,男性.腰痛および歩行時の右下肢痛を主訴に当科を受診した.MRIおよび脊髄造影で右L3/4高位で硬膜を後方から圧迫する腫瘤を認めた.画像所見から脱出ヘルニア,ガングリオン,嚢腫,血腫を疑い手術を行った.術中黄色靱帯内面に赤褐色を呈した表面平滑な充実性の腫瘤を認めた.病理組織所見は,腫瘤は黄色靱帯の内部に存在し上皮化は認めず内部は変性の著しい結合組織に置換され,一部壊死を認める肉芽組織であった.術後症状は消失し経過良好である.黄色靱帯に発生した腫瘍は,血腫,滑膜嚢腫,ガングリオン,肉芽組織の嚢腫などの報告が過去に数例あるがその頻度は少なく,肉芽組織で形成された腫瘤の国内報告例は確認できなかった.文献上,椎間関節の変性を伴うことが多く,その発生機序にストレスや微小外傷の関与が示唆されている.
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