Japanese
English
シンポジウム 21世記の整形外科移植医療~その基礎から臨床応用に向けて
末梢神経移植の最前線から
Current Status and Future for Peripheral Nerve Transplantation
仲尾 保志
1
Yasushi Nakao
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keio University, School of Medicine
キーワード:
nerve graft
,
神経移植
,
allogenic graft
,
同種移植
,
nerve regeneration
,
神経再生
Keyword:
nerve graft
,
神経移植
,
allogenic graft
,
同種移植
,
nerve regeneration
,
神経再生
pp.1479-1487
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903156
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要旨:現在の末梢神経外科の臨床では,広範に損傷された神経の再建には,重要性の低い知覚神経を患者自身から採取して移植する自家神経移植が行われている.しかしながら,この方法は,患者の健常部にドナーを求め,正常な神経を採取する手術であったことから,これに代わる神経誘導ガイドの開発が神経研究の重要な課題の1つとされてきた.近年,様々な人工素材による人工神経が試作され,神経栄養因子を利用した研究もなされており,比較的短い神経欠損の再建への応用が期待されている.また,長い神経欠損の再建については,同種神経移植の研究が進められており、短期の免疫抑制法や免疫寛容を誘導する方法,ドナー神経の免疫原性を低下させる方法などが模索されている.欧米では,人工神経移植や同種神経移植は,いずれも試験的な臨床応用の段階にあり,それにあわせてシュワン細胞のviabilityを維持しながら神経組織を長期間冷凍保存する研究も進められている.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.