Japanese
English
臨床経験
MRIで追跡しえた腰椎麻酔後発症の脊髄梗塞の1例
MRI Follow Up of Spinal Cord Infarction Associated with Spinal Anesthesia : A Report of a Case
陣内 雅史
1
,
鎌田 修博
1
,
笹崎 義弘
1
,
牧田 聡夫
1
,
芦田 利男
1
,
木内 準之助
1
Masashi Jinnouchi
1
1けいゆう病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Keiyu Hospital
キーワード:
spinal anesthesia
,
脊椎麻酔
,
spinal cord infarction
,
脊髄梗塞
,
MRI
,
磁気共鳴映像法
Keyword:
spinal anesthesia
,
脊椎麻酔
,
spinal cord infarction
,
脊髄梗塞
,
MRI
,
磁気共鳴映像法
pp.821-824
発行日 2000年6月25日
Published Date 2000/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903028
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抄録:今回,われわれは腰椎麻酔後に完全対麻痺として発症し,MRIで経過を追跡できた脊髄梗塞の1例を経験したので報告する.症例は64歳の女性で,腰椎麻酔と硬膜外麻酔の併用にて腹式子宮全摘術が施行され,その後に完全対麻痺(Frankel A)を呈した.MRIにて脊髄梗塞と診断し,保存的治療を行った.麻痺は徐々に回復し,5カ月後には下肢の筋力は完全に回復した.MRIの経時的変化では,初診時みられたTh9~Th12高位のT1およびT2強調画像での脊髄腫脹像は,発症8カ月で消失し,またT2強調画像でのびまん性の高輝度領域もほとんど消失した.腰椎麻酔後の対麻痺の原因として,麻酔操作による出血性疾患のみでなく,脊髄梗塞も念頭に置くべきである.診断には,MRIが有用であり,本症例では保存的治療が有効であった.
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