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シンポジウム 脊椎内視鏡手術―最近の進歩
腹腔鏡を併用した腰椎前方固定術とその問題点
Clinical Problems in Laparoscope Assisted Anterior Lumbar Interbody Fusion
小柳 貴裕
1
,
大森 泰
2
,
相羽 整
1
Takahiro Koyanagi
1
1東京歯科大学市川総合病院整形外科
2川崎市立川崎病院外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Ichikawa General Hospital, Tokyo Dental University
キーワード:
anterior lumbar interbody fusion
,
腰椎前方固定術
,
laparoscope
,
腹腔鏡
Keyword:
anterior lumbar interbody fusion
,
腰椎前方固定術
,
laparoscope
,
腹腔鏡
pp.1463-1470
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902862
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要旨:一般外科において,腹腔鏡の導入は侵襲の軽減,術後管理の簡略化に大いに貢献した.われわれも腰椎前方固定術において侵襲を小さくすべく腹腔鏡を13例に併用した.全例鏡視下で腹膜外的に椎間板前面まで剥離展開し,その後はポートを連続切開として適宜鏡視を併用しながら通常の手術器具で除圧固定手技を行い,1例を除いて全例骨癒合を得た.しかし,腹腔鏡視が補助的役割を担うにすぎない本術式でも,皮下気腫や腹膜損傷をはじめ,種々の合併症,問題点に遭遇した.なかでも気腹が増悪因子の一因と思われる深部静脈血栓や,術中のPaCO2の急激な上昇が主なものであり,インフォームドコンセントを得る上でも十分に留意すべき点と思われた.現法での腹腔鏡併用の意義は皮膚,腹壁,消化管への侵襲の軽減に限られているが,今後社会面,コスト面などで外科疾患と同等の有用性を持たせるには,超早期離床を可能にする強固なimplantの開発が不可欠である.
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