Japanese
English
臨床経験
手掌部に発生し掌側指神経の障害を伴った脂肪腫の1例
Palmar Lipoma Causing Palmar Digital Nerves Compression : A Case Report
石川 昌彦
1,2
,
藤田 悟
1
,
田中 裕之
1
,
金子 徳寿
1
,
乾 浩明
1
,
加藤 泰司
1
,
小田 剛紀
1
,
冨士 武史
1
,
伏見 博彰
3
,
政田 和洋
4
Masahiko Ishikawa
1,2
1大阪府立病院整形外科
2泉大津市立病院整形外科
3大阪府立病院病理科
4大阪労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka Prefectural Hospital
キーワード:
lipoma
,
脂肪腫
,
hand
,
手
,
palmar digital nerve
,
掌側指神経
Keyword:
lipoma
,
脂肪腫
,
hand
,
手
,
palmar digital nerve
,
掌側指神経
pp.665-667
発行日 1999年5月25日
Published Date 1999/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902719
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抄録:手掌部に発生し,掌側指神経の障害を伴った脂肪腫の1例を報告する.症例は66歳の男性.1993(平成5)年1月より右手掌部の腫瘤に気付くが放置していた.1997(平成9)年になって,腫瘤の増大とともに右示中環指のしびれ,自発痛を自覚し当科を初診した.右手掌は中環指の手掌指節皮線から母指球部にかけて膨隆し,圧痛を認めた.CT所見では,手掌腱膜と骨間筋の間に屈筋腱を取り囲む境界明瞭なlow densityの腫瘤を認めた.MRI所見では,T1,T2強調画像双方で,皮下脂肪と同様のintensityを示す腫瘤を認めた.術中所見では,示中環指の掌側指神経は腫瘍により掌側に圧排されていた.腫瘍は周囲組織との癒着はなく一塊に摘出でき,重量は50gであった.一般に脂肪腫は緩徐で非浸潤性に発育するため,無症候性腫瘤として発見,治療されることが多いが,本症例では,掌側指神経の圧排による手指のしびれ,自発痛を認めた.
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