Japanese
English
臨床経験
小児大腿骨遠位骨端部類骨骨腫の1例
Intraepiphyseal Osteoid Osteoma in the Distal Femur : A Case Report
川原 英夫
1
,
和田 真
1
,
安藤 正郎
1
,
馬場 久敏
1
,
今村 好章
2
Hideo Kawahara
1
1福井医科大学整形外科学講座
2福井医科大学病理学第1講座
1Department of Orthopedic Surgery, Fukui Medical School
キーワード:
osteoid osteoma
,
類骨骨腫
,
epiphysis
,
骨端
,
Brodie's abscess
,
ブロディー骨膿瘍
Keyword:
osteoid osteoma
,
類骨骨腫
,
epiphysis
,
骨端
,
Brodie's abscess
,
ブロディー骨膿瘍
pp.103-106
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902626
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抄録:成長期に骨端の骨硬化性病変を見ることは稀である.今回われわれは成長期の大腿骨遠位骨端部に発生した類骨骨腫の1例を経験したので報告する.症例は11歳女児で,夜間に増強する右膝関節痛を主訴として来院した.単純X線写真,CTで右大腿骨遠位骨端部に周囲と中心に骨硬化像を伴う境界明瞭な直径6mmの円形の透亮像を認めた.MRIではT1強調画像で低信号,T2強調画像で中心に低信号域を伴った高信号,骨シンチグラフィーでは病巣に一致して集積を認めた.血液生化学検査は基準値内であった.抗生剤の投与により症状は軽減せず,消炎鎮痛剤の投与により疼痛は軽快した.確定診断と治療を目的として病巣掻爬を施行した.Brodie骨膿瘍も疑われたが,培養で菌が検出されなかったことや,病理組織診断,さらにCT像などから最終的に類骨骨腫と診断した.病巣掻爬により術前の疼痛は完全に消失し,2年経過した現在,症状の再発は認められない.
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