Japanese
English
臨床経験
骨端板閉鎖前に発生した上腕骨頭類骨骨腫の1例
A Case of Intraepiphyseal Osteoid Osteoma in the Proximal Humerus Which Was Difficult to Make a Differential Diagnosis
吉野 匠
1
,
小川 清久
1
,
宇井 通雅
1
Yoshino Takumi
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
humeral head
,
上腕骨頭
,
epiphysis
,
骨端
,
osteoid osteoma
,
類骨骨腫
,
Brodie's abscess
,
プロディー骨膿瘍
Keyword:
humeral head
,
上腕骨頭
,
epiphysis
,
骨端
,
osteoid osteoma
,
類骨骨腫
,
Brodie's abscess
,
プロディー骨膿瘍
pp.1385-1388
発行日 1996年12月25日
Published Date 1996/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902065
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抄録:成長期に,骨端の骨硬化性病変を見ることは稀である.今回われわれは成長期の上腕骨頭に骨硬化性病変が生じ,診断に苦慮したOsteoid osteomaの1例を経験したので報告する.症例は8歳男児で,左肩関節痛を主訴とし来院した.単純X線で左上腕骨骨端部に境界明瞭な径10mmの骨硬化像を認める以外に,臨床検査で明らかな異常はなかった.抗生剤の投与により局所の腫脹,熱感,発赤,疼痛などの炎症症状は緩解したが,その後もしばしば再発を繰り返したため,治療と最終診断を兼ねて病巣掻爬を施行した.抗生剤の投与により症状の緩解を見たという臨床経過からは,Brodie骨膿瘍が最も疑われたが,培養で菌が検出されなかったことや,病理組織診,さらにCT像などから,最終的にOsteoid osteomaと診断した.10年経過した現在,再発や危惧された成長障害は認められない.
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