Japanese
English
臨床経験
背椎に発生した類骨骨腫の治療経験―2例報告
Osteoid Osteoma of the Spine : Report of Two Cases
東 裕隆
1
,
浅野 聡
1
,
大矢 卓
1
,
高橋 達郎
2
,
佐藤 栄修
3
Hirotaka Azuma
1
1釧路労災病院整形外科
2釧路労災病院病理部
3北海道大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kushiro Rousai Hospital
キーワード:
osteoid osteoma
,
類骨骨腫
,
spine
,
背椎
,
surgical treatment
,
手術治療
Keyword:
osteoid osteoma
,
類骨骨腫
,
spine
,
背椎
,
surgical treatment
,
手術治療
pp.1053-1058
発行日 1997年9月25日
Published Date 1997/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902261
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抄録:比較的稀な脊椎に発生した類骨骨腫の2例を経験した.ともに15歳の男性で,1例は下関節突起,他の1例は椎弓根に発生していた.臨床症状では安静時痛(特に夜間痛)が特徴的であった.断層写真,CTではnidusを示す周囲に骨硬化像を伴う卵円形の骨透亮像が認められ,骨シンチグラムの集積像とともに有用であった.確定診断にはnidusの大きさと組織学的所見によった.2例とも痔痛の消失には,手術によるnidusの完全切除が必要であった.1例で背椎固定術を併用した.調査時(術後6年および2年),2例とも症状および腫瘍の再発はなかった.1例では側弯の合併が早期診断のpitfallとなっていた.背椎発生の類骨骨腫の診断上,注意を要する点である.われわれは比較的稀な背椎に発生し,手術を必要とした類骨骨腫(osteoid osteoma)の2例を経験したので,苦干の文献的考察を加えて報告する.
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