Japanese
English
臨床経験
anterior tarsal tunnel syndromeの1例
Anterior Tarsal Tunnel Syndrome : A Case Report
岩佐 潤二
1
,
西川 梅雄
1
,
江田 有史
1
Junji Iwasa
1
1石川島播磨重工業健康保険組合播磨病院整形外科
1Department of Orthopaedics, Hanima Hospital of Ishikawajima-Hanima Heavy Industries Health Insurance Society
キーワード:
anterior tarsal tunnel syndrome
,
前足根管症候群
,
deep peroneal nerve
,
深腓骨神経
,
entrapment neuropathy
,
絞扼性神経障害
Keyword:
anterior tarsal tunnel syndrome
,
前足根管症候群
,
deep peroneal nerve
,
深腓骨神経
,
entrapment neuropathy
,
絞扼性神経障害
pp.1375-1378
発行日 1996年12月25日
Published Date 1996/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902063
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抄録:足背の下伸筋支帯の部分で生じる深腓骨神経の絞扼障害は,anterior tarsal tunnel syndromeと呼ばれるが,本症の報告は比較的少ない1~12).われわれは本症の1例を経験したので報告する.患者は65歳の女性で,受診の2日前(1994(平成6)年7月6日)からとくに誘因なく,夜間,安静時に右足背の疼痛が出現し,正座によって症状は増強した.初診時,第1趾間部の知覚異常,下伸筋支帯部の圧痛とTinel様徴候,足関節底屈による疼痛の増強を認め,本症と診断した.1カ月間に保存的治療を行ったが軽快しなかったため,下伸筋支帯の切離と神経剝離術を施行した.術中所見では,深腓骨神経は下伸筋支帯下縁の部分で,下伸筋支帯によって圧迫され,扁平化していた.手術翌日から症状は消失し,術後2年の現在,経過良好である.本症の誘因として足部変形,靴,種々の外傷などが挙げられるが,誘因不明のものも多く,われわれの症例でもとくに誘因を認めなかった.
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