Japanese
English
臨床経験
頸部広範リンパ節郭清術後に生じた副神経麻痺の一治験例
A Case Report of Accessory Nerve Palsy after Radical Neck Dissection
桝谷 厚志
1
,
岡田 正人
1
,
太田 義明
1
,
高田 裕恭
1
,
西島 雄一郎
1
,
東田 紀彦
1
,
山崎 安朗
1
Atsushi Masutani
1
1金沢医科大学整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kanazawa Medical University
キーワード:
副神経
,
accessory nerve
,
神経麻痺
,
paralysis
,
僧帽筋
,
trapezius
,
Eden-Lange法
,
Eden-Lange method
Keyword:
副神経
,
accessory nerve
,
神経麻痺
,
paralysis
,
僧帽筋
,
trapezius
,
Eden-Lange法
,
Eden-Lange method
pp.83-86
発行日 1994年1月25日
Published Date 1994/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901286
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抄録:頸部広範リンパ節郭清術後に生じた副神経損傷の1例を経験したので報告する.症例は68歳女性である.術後1年半後より頸部痛および両肩倦怠感が出現してきた.入院時の所見として,両側の僧帽筋,胸鎖乳突筋の著明な筋萎縮,両肩および鎖骨肩峰端の下垂および左胸鎖関節の亜脱臼が認められた.単純X線像では両側肩甲骨上部の外転,両鎖骨肩峰端の下方偏位,左鎖骨胸骨端の上方偏位が認められた.本例のような陳旧性副神経損傷では,神経縫合術によって僧帽筋の機能回復を得ることは困難で機能再建術の適応となる.機能再建術にはEden-Lange法とDewar法が報告されているが,筆者らはDewar法では肩甲骨の不安定性の再現が危惧されたため,Eden-Lange法を選択した.術後症状の改善がみられ,X線所見で鎖骨肩峰端の下垂が消失していることから,Eden-Lange法が本症の治療法として有用であると考えた.
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