ついである記・28
Malmöへの墓参の旅
山室 隆夫
1,2
1京都大学
2国際整形災害外科学会
pp.1196-1197
発行日 1998年10月25日
Published Date 1998/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902547
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コペンハーゲンを訪れたのは1993年以来5年振りであった.この町にはチボリー公園のような華やいだ遊園地や多くのポルノ・ショップもあるが,町全体を北欧特有の清らかな翳りが覆っているようにいつも私には感じられる.多くの若者達が自転車を駆って勢いよく走り過ぎていく姿,港の両岸にひしめくようにして繋留されている色とりどりのヨットや船,何度も首を落とされながらも波打ち際にひっそりと佇み続けている人魚の像など,1961年以来私の知る限りではコペンハーゲンの下町の雰囲気は何十年も殆んど変わっていない.この町で1998年6月にSICOTとEFORT(ヨーロッパ整形外科学会)の合同の教育研修会が開催され,私はその講師として招かれてやって来たのだが,私と家内にとって大切なもう一つの旅の目的は,コペンハーゲンの対岸のマルメー近郊にあると思われるフォン・ローゼン先生夫妻のお墓に詣でることであった.
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