Japanese
English
臨床経験
右母指IP関節近傍に発生し,関節亜脱臼を呈した腱鞘線維腫の1例
A Case Report of Fibroma of Tendon Sheath near the Subluxated IP Joint of Right Thumb
阿部 圭宏
1,2
,
山口 清直
1
,
高瀬 完
1
,
林 豊
3
,
守屋 秀繁
4
Yoshihiro Abe
1,2
1小見川総合病院整形外科
2千葉県がんセンター麻酔科
3千葉大学医学部付属肺癌研究施設
4千葉大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Omigawa General Hospital
キーワード:
fibroma of tendon sheath
,
腱鞘線維腫
,
IP joint of thumb
,
母指IP関節
,
subluxity
,
亜脱臼
Keyword:
fibroma of tendon sheath
,
腱鞘線維腫
,
IP joint of thumb
,
母指IP関節
,
subluxity
,
亜脱臼
pp.1221-1224
発行日 1998年10月25日
Published Date 1998/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902553
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抄録:右母指IP関節近傍に発生し,IP関節の亜脱臼をきたした腱鞘線維腫の1例を報告する.症例は73歳,女性.右母指IP関節部の腫瘤と変形を主訴とした.CT,MRIでは比較的境界明瞭で内部の均一な腫瘍として描出された.手術にて摘出を行った.病理検査では,豊富な膠原線維を伴った紡錘形の線維芽細胞の増殖が見られたため,右母指屈筋腱腱鞘より発生した腱鞘線維腫と診断した.手指に発生する腫瘍のなかで,線維腫は比較的希とされている.病理組織学的には,腱巨細胞腫,腹壁外デスモイドと類似しているため,これらと比較,検討した結果,腱巨細胞腫と類縁疾患,もしくは同一疾患である可能性が高いと考えられた.また,発生機序として反復刺激の関与が推測された.
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