Japanese
English
臨床経験
尺骨神経管症候群を呈した腱鞘線維腫の1例
A Case of Fibroma of Tendon Sheath Showing Ulnar Tunnel Syndrome
土田 敏典
1
,
赤崎 外志也
1
,
山城 輝久
1
,
原 隆
1
,
上田 善道
2
Toshinori Tsuchida
1
1恵寿総合病院整形外科
2金沢医科大学第2病理学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Keiju General Hospital
キーワード:
fibroma of tendon sheath
,
腱鞘線維腫
,
ulnar tunnel syndrome
,
尺骨神経管症候群
,
hand
,
手
Keyword:
fibroma of tendon sheath
,
腱鞘線維腫
,
ulnar tunnel syndrome
,
尺骨神経管症候群
,
hand
,
手
pp.1163-1166
発行日 2000年9月25日
Published Date 2000/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903098
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抄録:今回、尺骨神経管症候群を呈した腱鞘線維腫の1例を経験したので報告する.症例は51歳,男性.右手小指球部の腫瘤および環指・小指の知覚・筋力低下を認めた.尺骨神経管症候群の津下・山河分類ではⅠ型に分類された.CTにて手掌部有鈎骨鈎部に腫瘤陰影を認めた.MRIのT1強調像では,腫瘍は低信号,T2強調像では内部に低信号領域を伴った比較的高信号であり,Gd造影像では腫瘍周辺が強く造影された.尺骨神経の知覚神経伝導速度は健側の約半分に低下していた.手術所見では,腫瘍は深指屈筋腱腱鞘から発生し,尺骨神経管中枢部で尺骨神経を圧迫しており,腫瘍を辺縁切除した.病理組織学的には,紡錘型細胞が間質の膠原線維の沈着を伴い増殖する腱鞘線維腫であった.術後1年の現在,知覚・筋力はほぼ正常にまで回復し,腫瘍の再発は認めない.
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