Japanese
English
論述
軸椎棘突起裂離骨折を伴った小児頚椎屈曲損傷の治療経験
Cervical Spinal Hyperflexion Injury with Avulsion Fracture of the C2 Spinous Process in Children
松本 守雄
1
,
戸山 芳昭
1
,
千葉 一裕
1
,
市村 正一
1
,
鈴木 信正
1
,
藤村 祥一
1
,
福井 康之
2
,
里見 和彦
3
Morio Matsumoto
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
2大田原赤十字病院整形外科
3杏林大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
cervical spinal flexion injury
,
頚椎屈曲損傷
,
avulsion fracture of spinous process of axis
,
軸椎棘突起裂離骨折
,
children
,
小児
Keyword:
cervical spinal flexion injury
,
頚椎屈曲損傷
,
avulsion fracture of spinous process of axis
,
軸椎棘突起裂離骨折
,
children
,
小児
pp.1053-1059
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902517
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抄録:軸椎棘突起裂離を伴う小児頚椎屈曲損傷の6例(男児4例,女児2例,平均年齢11歳,1例は陳旧例)を報告した.全例,外傷による頚椎過屈曲を強制されていた.初診時,強度の頚部痛を全例に認めた.X線像ではC2-3の前方すべり,局所後弯を認めた.受傷後1~2ヵ月で軸椎棘突起先端に裂離骨片が出現し,CTでは棘突起先端に左右に分かれて存在していた.頚椎カラーによる保存療法が4例に,初期治療が行われず後弯の進行した2例に,C2-3の前方固定術およびC2-4の後方固定術が行われた.保存療法例ではC3椎体の横径成長とともに後弯の改善を認めた.治療成績はともに良好であった.
本損傷はCT像などから,軸椎棘突起の裂離骨折を伴う頚椎屈曲損傷であると考えられる.頚椎過屈曲を強制された小児が激しい項部痛を訴えた場合,本症を疑って経時的なX線検査を行い,新鮮例では適切な外固定による保存療法を行えば,良好な結果が得られる.
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