Japanese
English
臨床経験
未治療のまま経過した成人クレチン症の1例
A Case of Adult Cretinism
西山 正紀
1
,
二井 英二
1
,
杉浦 保夫
2
,
山崎 征治
3
Masaki Nishiyama
1
1三重県立草の実学園整形外科
2金山クリニック
3上野総合市民病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kusanomi Gakuen Hospital for Handicapped Children
キーワード:
adult cretinism
,
成人クレチン症
,
radiological findings
,
X線所見
Keyword:
adult cretinism
,
成人クレチン症
,
radiological findings
,
X線所見
pp.793-796
発行日 1998年6月25日
Published Date 1998/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902471
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抄録:今回われわれは,45歳まで放置されていたクレチン症の1例を経験したので報告する.患者は45歳,女性.約1年前より腰痛を認め,易疲労感も増強したため来院となった.現症では身長123cm,体重42kg,上肢長35cm,下肢長55cm,arm span 115cmで,四肢短縮型小人症を呈していた.顔面は浮腫状で,両眼開離,鼻根扁平,鞍鼻を認めた.甲状腺機能検査ではTSHの増加,T3,T4の減少をみた.X線所見では,脊椎ring apophysisの癒合不全,腸骨稜骨端核の癒合不全,Y軟骨の残存,大腿骨頭扁平化および頚部短縮,中手骨,中足骨の短縮などを認めた.早期治療を逸すると,低身長や知能障害だけでなく,関節症状を呈する可能性があり,中高年期では虚血性心疾患の危険性も指摘されている.早期発見と永続的治療が重要である.
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