Japanese
English
特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)
脊髄症状を伴うRA患者の自然経過―生命予後を中心として
Natural Clinical Course of Rheumatoid Arthritis Patients with Myelopathy
井尻 幸成
1,2
,
砂原 伸彦
1
,
宮口 文宏
1
,
松永 俊二
3
,
森 輝男
3
,
酒匂 崇
3
Kosei Ijiri
1,2
1鹿児島赤十字病院整形外科
2県立薩南病院整形外科
3鹿児島大学医学部整形外科
1Kagoshima Red Cross Hospital
キーワード:
rheumatoid arthritis
,
慢性関節リウマチ
,
myelopathy
,
脊髄症
,
conservative treatment
,
保存的治療
Keyword:
rheumatoid arthritis
,
慢性関節リウマチ
,
myelopathy
,
脊髄症
,
conservative treatment
,
保存的治療
pp.521-524
発行日 1998年4月25日
Published Date 1998/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902423
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抄録:慢性関節リウマチ(RA)には脊髄症状を伴った頚椎病変に対し手術が選択されることが多いが,手術に伴う合併症を危惧し保存的治療を主張する意見もある.観血的治療の適応を考える上でも非手術例の予後調査は必要である.われわれは本症の自然経過を知る目的で予後調査を行った.対象は本症患者で拒否等により手術の機会を逸したRA患者16例である.臨床症状の推移をRanawat分類と機能評価を用いて検討した.神経症状は初診時Ranawat分類3A;12例,3B;4例であったのが最終調査時3A;6例(死亡1例),3B;10例(死亡4例)であり,機能評価は初診時起立可1例,車椅子11例,寝たきり4例であったのが最終調査時起立可1例,車椅子6例,寝たきり9例と低下していた.保存的治療を行った脊髄症状を伴うRA患者の予後は,麻痺の進行や日常生活動作の低下を来していた.これは本症に対する観血的治療の適応を考える上で参考となる有用な情報であると考える.
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