Japanese
English
特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第8章 炎症
Ranawat分類
Ranawat's Classification
鷲見 正敏
1
Masatoshi SUMI
1
1真星病院
1Mahoshi Hospital
キーワード:
関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
頸椎
,
cervical spine
,
脊髄症
,
myelopathy
Keyword:
関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
頸椎
,
cervical spine
,
脊髄症
,
myelopathy
pp.482-484
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201398
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はじめに
関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)では,原因不明の慢性に進行する滑膜関節炎が全身性に発症する.四肢の関節が進行性に破壊されるため,それに伴い,患者の日常生活動作(ADL)も進行性に制限されることとなる.この進行性で破壊性の変化は,やはり関節構造を有する脊椎,特に頸椎にも発症するため,強い変形や不安定性が出現する.これらRAによる頸椎病変は,強い頸部痛や圧迫性脊髄症による麻痺症状を惹起させるため,特に上位頸椎においてこれらの病変が進行すると,強い四肢麻痺や呼吸停止など致死性の病態へと進行する可能性も指摘されている4).
このように,RA症例に頸椎病変が進行するとADLが強く障害されるため,症状,特に脊髄症の状況を客観的に評価する必要がある.また,RA頸椎病変症例に対して手術加療を行った場合には,その症状改善の程度を客観的に評価し,術前後の状態を比較する必要がある.本邦では,頸椎部脊髄症の程度を把握して治療前後の変化からその成績を評価するため,日本整形外科学会頸部脊椎症性脊髄症治療成績判定基準に基づく評価点数(以下,日整会点数)が使用されている.しかし,この判定基準は患者のADL達成度を指標としているため,すでに手指などに多発性の関節障害をきたしているRAでは判定基準の点数が関節破壊の程度によって強い影響を受けることになる.日整会点数のみでRA症例の脊髄症を評価することは困難で,より状態を客観的に評価できる判定基準が求められる.
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