Japanese
English
論述
変性側弯の有無による腰部脊柱管狭窄症の病態および治療成績の比較検討
Comparative Study of Surgical Treatment for Lumbar Spinal Canal Stenosis with and without Degenerative Scoliosis
石本 勝彦
1
,
井口 哲弘
1
,
松原 伸明
1
,
日野 高睦
1
,
西川 哲夫
1
,
冨田 佳孝
1
,
本田 久樹
1
Katsuhiko Ishimoto
1
1兵庫県立加古川病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hyogo Prefectural Kakogawa Hospital
キーワード:
lumber spinal stenosis
,
腰部脊柱管狭窄症
,
degeneration
,
変性
,
scoliosis
,
側弯
Keyword:
lumber spinal stenosis
,
腰部脊柱管狭窄症
,
degeneration
,
変性
,
scoliosis
,
側弯
pp.27-34
発行日 1998年1月25日
Published Date 1998/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902343
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:Cobb角10°以上の変性側弯の有無で,腰部脊柱管狭窄症の病態および治療成績を比較検討した.病態面でみれば,変性側弯のある群は,腰痛,筋力低下,L4神経根障害および多椎間障害が多いという点で変性側弯のない群と比較して有意差があった.観血的治療に関しては変性側弯群は日整会腰痛治療判定基準の改善率が有意に劣っており,特に馬尾障害を伴うものの改善が悪かった.変性側弯群は術後側弯と側方すべりの増強がみられたが,程度は軽く症状の再発には至らなかった.固定や矯正術の併用については,側弯の程度が軽い症例が多いため,患者の状態や腰背筋の筋力,術前の不安定性などを考慮して慎重に選択する必要がある.また変性側弯のある群は,それがない通常の腰部脊柱管狭窄症に比べて,術前の病態が異なっており,さらに治療成績も悪く,後者の治療概念をそのまま適応するのは問題があると思われた.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.