Japanese
English
臨床経験
種子骨間の異所骨が原因と考えられた母趾MTP変形性関節症の1例
Accessory Bone between Hallux Sesamoids and the Osteoarthritis of the First Metatarsophalangeal Joint : A Case Report
本田 久樹
1
,
井口 哲弘
1
,
松原 伸明
1
,
日野 高睦
1
,
西川 哲夫
1
,
冨田 佳孝
1
,
石本 勝彦
1
,
山本 哲司
2
Hisaki Honda
1
1兵庫県立加古川病院整形外科
2神戸大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hyogo Prefectural Kakogawa Hospital
キーワード:
osteoarthritis
,
変形性関節症
,
accessory sesamoid
,
副種子骨
,
hallux
,
母趾
Keyword:
osteoarthritis
,
変形性関節症
,
accessory sesamoid
,
副種子骨
,
hallux
,
母趾
pp.919-924
発行日 1997年8月25日
Published Date 1997/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902236
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抄録:症例は41歳女性で,主訴は左母趾MTP関節の痔痛および腫瘤である.初診時,MTP関節の底側に腫脹と圧痛を認め,背側に圧痛のない小豆大皮下腫瘤を触れた.X線像で脛骨側ならびに腓骨側の両種子骨間と同関節背側に異所骨を認め,単純CT像では種子骨間の異所骨に加えて小骨片も認め,左母趾MTP関節は変形性関節症を呈していた.空気造影後のCT像で関節背側の異所骨は関節内遊離体であることが判明した.保存的治療を試みたが効果はなく,関節内遊離体および異所骨の摘出術を行った.術後経過は良好である.経骨側ならびに腓骨側の両種子骨間の異所骨は軟骨を有して両側種子骨と関節様面を形成し,さらに足底面は腱様組織が付着していた.変形性関節症は両種子骨間の異所骨が原因でMTP関節内に異常負荷がかかり形成されたと考えられるが,このような報告例は過去になく,疼痛を発生した原因について考察を加え報告した.
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