Japanese
English
論述
二分脊椎を伴わない脊髄脂肪腫―本邦22例の検討
Spinal Lipoma without Spina Bifida : Review in Japanese 22 Reports
能地 仁
1
,
菅原 修
1
,
鈴木 聖
2
Hitoshi Nochi
1
1北見赤十字病院整形外科
2北見赤十字病院脳神経外科
1Department of Orthopaedics, Kitami Red Cross Hospital
キーワード:
lipoma
,
脂肪腫
,
spinal lipoma
,
脊髄脂肪腫
Keyword:
lipoma
,
脂肪腫
,
spinal lipoma
,
脊髄脂肪腫
pp.1009-1015
発行日 1997年9月25日
Published Date 1997/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902251
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抄録:本邦において脊髄脂肪腫は統一された分類がないため全て同一の腫瘍として論じられる場合が多かった.今回われわれの経験した脊髄円錐部に発生した硬膜内脊髄脂肪腫2症例を供覧し,これまで本邦にて報告された二分脊椎を伴わない脊髄脂肪腫(True spinal lipoma:DiLorenzo 19822))20例の特徴について調査検討を行った.True spinal lipomaは全脊髄脂肪腫の約1/3であり成人男性に多く発症していた.その局在は胸椎,腰椎部に多く,馬尾神経レベルに限局して発生した報告は認められなかった.下肢しびれ感,排尿障害,歩行障害で発症するものが多く,罹病期間が長いのが特徴であった.髄液・単純X線像においては特異的な所見はないがCT,MRIにおいて脂肪と等信号の領域として描出されるため診断は比較的容易である.治療は神経症状出現後早期に部分摘出術によって除圧を図るのが好ましいが罹病期間の長期に及ぶものは予後不良である.
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