Japanese
English
論述
浸潤性脂肪腫の臨床病理学的検討
Clinical and Pathological Study of the Infiltrating Lipomas
青山 茂樹
1
,
藤内 守
1
,
西川 洋三
1
,
井形 高明
1
Shigeki AOYAMA
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Tokushima Medical School
キーワード:
脂肪腫
,
lipoma
,
浸潤性脂肪腫
,
infiltrating lipoma
,
間葉性腫瘍
,
mesenchymal tumor
Keyword:
脂肪腫
,
lipoma
,
浸潤性脂肪腫
,
infiltrating lipoma
,
間葉性腫瘍
,
mesenchymal tumor
pp.929-933
発行日 1983年9月25日
Published Date 1983/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906816
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はじめに
浸潤性脂肪腫は四肢の深部軟部組織に発生する良性の間葉性腫瘍であり,組織学的には骨格筋に浸潤する成熟脂肪細胞からなり,異型性を有する脂肪芽細胞を認めないのが特徴的であるとされている.また本腫瘍には,浸潤型態により筋肉間脂肪組織より発生する筋肉間脂肪腫と筋肉内脂肪組織より発生する筋肉内脂肪腫に分けられている.四肢の深部に存在し摘出不完全例には,しばしば再発がみられたとの報告はあるが,悪性変化を示したという症例はない.本腫瘍の報告は非常に古く,1853年Paget2)の報告が最初のものと考えられるが,その後の報告例は少なく本邦では,いまだ5症例の報告をみるのみである.
今回,私達は浸潤性脂肪腫と考えられる3例(筋肉間脂肪腫1例,筋肉内脂肪腫2例)を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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