Japanese
English
臨床経験
上位胸髄軟膜下脂肪腫の2例
Two Cases of Subpial Lipomas in the Upper Thoracic Area
相庭 温臣
1
,
宮坂 斉
2
,
三井 公彦
3
,
小林 健一
1
,
岡本 弦
1
,
丸山 雄造
4
Atsuomi Aiba
1
1鹿島労災病院整形外科
2長野県立須坂病院整形外科
3国立相模原病院脳神経外科
4長野県立須坂病院病理
1Department of Orthopaedic Surgery, Kashima Rousai Hospital
キーワード:
lipoma
,
脂肪腫
,
spinal lipoma
,
脊髄脂肪腫
,
intradural spinal tumor
,
脊髄硬膜内腫瘍
Keyword:
lipoma
,
脂肪腫
,
spinal lipoma
,
脊髄脂肪腫
,
intradural spinal tumor
,
脊髄硬膜内腫瘍
pp.1379-1383
発行日 1996年12月25日
Published Date 1996/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902064
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抄録:spinal dysraphismを伴わない上位胸髄部軟膜下脂肪腫の2症例を経験した.症例1は57歳男性,主訴は歩行障害,両足底のしびれと背部痛であった.術中第3から第6胸椎レベルに黄色脂肪様の腫瘍を認め,部分摘出を行い症状の軽減をみた.病理所見は膠原線維増生を伴った成熟脂肪組織であったが,S-100蛋白の免疫組織染色により神経線維や神経細胞の混在が確認された.症例2は58歳男性,主訴は歩行障害,両下肢のしびれと排尿障害であった.第1から第3胸椎レベルに黄色脂肪様の腫瘍を認め,部分摘出を行い症状の軽減をみた.病理所見は成熟脂肪組織であった.症例1で確認された神経組織を取り込んでいる像は脂肪腫が発生異常による組織奇形であることを示唆し,真の腫瘍と異なり本2症例で術後に残した組織が将来真の腫瘍として一層の発育をする可能性は低いものと推測される.
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