Japanese
English
臨床経験
鎖骨骨折変形癒合によって生じた肩峰下インピンジメント症候群の1例
A Case Report of Subacromial Impingement Syndrome Caused by Malunion of Clavicular Fracture
柏木 忠範
1,2
,
小川 清久
1
,
宇井 通雅
1
Tadanori Kashiwagi
1,2
1慶應義塾大学医学部整形外科
2足利赤十字病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
impingemnent syndrome
,
インピンジメント症候群
,
clavicular fracture
,
鎖骨骨折
,
malunion
,
変形癒合
Keyword:
impingemnent syndrome
,
インピンジメント症候群
,
clavicular fracture
,
鎖骨骨折
,
malunion
,
変形癒合
pp.269-272
発行日 1997年3月25日
Published Date 1997/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902125
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抄録:鎖骨骨折変形癒合により肩峰下インピンジメント症候群を生じた1例を経験したので報告する.症例は,31歳男性で,1988年5月に交通事故で意識障害を伴う脳挫傷と左鎖骨骨折を含む多発外傷を受傷した.左鎖骨が短縮・回旋変形癒合した後,左肩関節の拘縮除去のため,可動域訓練が行われたが,左肩関節痛と挙上困難が持続したため1991年11月に当科を受診した.鎖骨骨折の変形癒合を一次的原因とする肩峰下インピンジメント症候群と診断し,鎖骨矯正骨切り術,前肩峰形成術および腱板修復術を施行した.術後経過は良好で,可動域の改善が得られた.解剖学的な整復を要しない鎖骨骨折と言えども,著しい形態的逸脱は機能障害の原因となり得ることを認識するべきである.
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