Japanese
English
臨床経験
頚椎症性椎骨動脈循環不全症の治療経験
A Case Report of Vertebral Artery Insufficiency Caused by Cervical Spondylosis
三戸 明夫
1
,
星 忠行
1
,
新井 弘一
1
,
成田 穂積
1
,
増谷 守彦
1
,
伊勢 紀久
2
Akio Sannohe
1
1青森県立中央病院整形外科
2青森県立あすなろ学園整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Aomori Prefectural Central Hospital
キーワード:
vertigo
,
回転性めまい
,
vertebral artery insufficiency
,
椎骨動脈循環不全
,
osteophyte
,
骨棘
,
cervical spondylosis
,
頚椎症
,
anterior fusion
,
前方固定
Keyword:
vertigo
,
回転性めまい
,
vertebral artery insufficiency
,
椎骨動脈循環不全
,
osteophyte
,
骨棘
,
cervical spondylosis
,
頚椎症
,
anterior fusion
,
前方固定
pp.273-276
発行日 1997年3月25日
Published Date 1997/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902126
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抄録:めまいの原因は様々であるが,頚椎骨棘による椎骨動脈障害もその一因となる.われわれは頚椎骨棘による頚部回旋時の回旋側の椎骨動脈狭窄によって重篤な回転性めまいを発現した1症例を手術的に治療したので文献的考察を加えて報告する.
症例は60歳男性.頚部右回旋によって回転性めまいが誘発され,自動車後進時,睡眠時の恐怖感を主訴に受診した.神経学的には異常を認めなかったが,頚部右回旋60°にてめまいが確実に再現された.動脈造影の所見では頚部右回旋によりC5/6レベルでの右椎骨動脈の狭窄像が認められた他に椎骨脳底動脈系のvariationが認められた.また同部位のCT像にて頚椎骨棘による横突孔の狭小化が認められたため頚椎症性椎骨動脈循環不全症と診断した.手術はC5-6間の骨棘切除および前方固定を行った.術後13カ月の現在,術前の頚部右回旋によるめまい症状は完全に消失し経過良好である.
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