Japanese
English
臨床経験
陳旧性後十字靱帯損傷例の靱帯修復状態とMR像の検討
Evaluation of Healing of the Injured PCL : Analysis of Instability and MR Imaging
秋末 敏宏
1
,
黒坂 昌弘
1
,
吉矢 晋一
2
,
黒田 良祐
1
,
水野 耕作
1
Toshihiro Akisue
1
1神戸大学医学部整形外科学教室
2明和病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Kobe University
キーワード:
magnetic resonance imaging
,
核磁気共鳴画像
,
posterior cruciate ligament
,
後十字靱帯
,
healing
,
治癒
,
ligament
,
靭帯
,
knee
,
膝
Keyword:
magnetic resonance imaging
,
核磁気共鳴画像
,
posterior cruciate ligament
,
後十字靱帯
,
healing
,
治癒
,
ligament
,
靭帯
,
knee
,
膝
pp.1445-1449
発行日 1997年12月25日
Published Date 1997/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902333
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抄録:後十字靱帯(PCL)損傷膝では,受傷時に明らかな不安定性を認めるにもかかわらず経過とともに後方押し込みで,hard end pointが出現する例があり,PCL損傷後の治癒過程の特異性を示すものではないかと考えられる.今回,後方押し込みに際するhard end pointの有無,およびMRIによる損傷PCLの治癒状態と,膝不安定性の相関を検討した.後方押し込みの最終時点で抵抗のある,いわゆるhard end pointを呈したものは,73%(38例)であった.これらの症例では膝900°屈曲位でのKT-1000による前後方向移動量は,平均6.4mmであり,hard end pointの消失した例での平均移動量12.0mmと統計学的に有意差を認めた.また,MR像において,PCLの走行に一致して連続性のある低信号領域を認めた39例の移動量は平均6.9mmであり,連続性のない13例の平均移動量11.1mmと統計学的に有意差を認めた.以上の結果より陳旧性PCL損傷例では何らかの治癒機転が働き,PCLの連続性を獲得する例が多く,膝不安定性や機能的予後に影響を与えているのではないかと考えられた.
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