Japanese
English
論述
鵞足の解剖と膝靱帯再建術への臨床応用
Anatomy of Pes Anserinus and Clinical Application on Ligament Reconstruction Surgery
黒部 恭啓
1
,
安田 和則
1
,
宮田 康史
1
,
金田 清志
1
,
末永 義圓
2
Yasuhiro Kurobe
1
1北海道大学医学部整形外科
2北海道大学医療技術短期大学作業療法学科
1Department of Orthopaedic Surgery, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
semitendinosus tendon
,
半腱様筋腱
,
gracilis tendon
,
薄筋腱
,
cruciate ligament reconstruction
,
十字靱帯再建術
Keyword:
semitendinosus tendon
,
半腱様筋腱
,
gracilis tendon
,
薄筋腱
,
cruciate ligament reconstruction
,
十字靱帯再建術
pp.1219-1223
発行日 1996年11月25日
Published Date 1996/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902032
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:靱帯再建術のための半腱様筋腱と薄筋腱の採取手技を確立するため,解剖実習用遺体60体と新鮮凍結膝2肢を用いて鵞足に関する詳細な解剖学的研究を行った.伏在神経は,𦙾骨結節の内側から内後方へ約9cmの位置で縫工筋腱と薄筋腱の間から皮下にでる.膝蓋下枝の分岐の状態は個体差があり,3型に分類することが可能であった.半腱様筋腱の100%,薄筋腱の83%において,鵞足への主停止部以外に下腿三頭筋筋膜に停止する1~数束の強靱な線維束を認めた.腱採取を鵞足部の小皮切から行う時,これら線維束が各腱の同定を困難にし,腱剥離子を用いた採取時に腱切断をきたす原因の一つになっていた.以上の結果より,伏在神経を温存するためには,縫工筋腱の停止部より80mm以上後方における非直視下での剪刃の使用を避けること,および各腱の採取に際しては下腿腱膜へ停止する線維束を確実に切離することが推奨される.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.