Japanese
English
臨床経験
腰椎部硬膜内髄外に転移した胃癌の1例
Lumbar Intradural Extramedullary Metastasis of the Gastric Cancer : A Case Report
尾崎 智史
1
,
伊藤 茂彦
1
,
錦見 純三
1
,
水野 直門
1
,
渡辺 健太郎
1
,
浦崎 哲哉
1
,
浜辺 卓也
1
,
室 捷之
1
Satoshi Ozaki
1
1岐阜県立多治見病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Gifu Prefectural Tajimi Hospital
キーワード:
gastric cancer
,
胃癌
,
metastasis
,
転移
,
intradural extramedullary spinal tumor
,
硬膜内髄外脊椎腫瘍
Keyword:
gastric cancer
,
胃癌
,
metastasis
,
転移
,
intradural extramedullary spinal tumor
,
硬膜内髄外脊椎腫瘍
pp.1167-1170
発行日 1996年10月25日
Published Date 1996/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902021
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:悪性腫瘍の脊椎への硬膜内髄外転移は稀であり,特に胃癌の報告は過去に見当らない.自験例は胃癌の手術歴を有する75歳の女性で,初診時の主訴は腰痛であったが,短期間に馬尾神経麻痺が急速に進行した.ミエログラムではL2レベル以下のくも膜下腔の著明な狭小化を認めた.MRIではT1強調画像やプロトン密度強調画像では馬尾神経が確認できず,T2強調画像では脊髄腔に斑状の高信号域をわずかに認めた.除圧目的でL3,L4の椎弓切除を行い,生検組織像から転移性胃癌の確定診断を得た.術後,疼痛は軽快したが麻痺は回復せず,発症から7カ月で死亡した.脳CTには転移巣がなく,本例はリンパ行性転移が最も疑われた.悪性腫瘍の脊髄硬膜内髄外転移の予後や治療指針は,原発病巣の組織型に依存すると考えられるが,生前に組織診断をつける意義は大きく,相対的手術適応があるといえる.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.